京葉カントリー倶楽部

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    公開:2021.05.17 03:27 | 更新: 2022.08.25 04:20

    バンカー修復工事

    近年、経年劣化により排水不良に陥ったバンカーの修復工事を少しずつ進めています。

    バンカーは様々な理由により時間の経過とともに排水が悪くなっていきます。定期的な暗渠(地中に埋められた排水管)の取り換えが必要になります。また、場合によってはシルト(非常に粒子の細かい土)が混ざってしまい、バンカーの砂をまるごと交換しなければなりません。

    暗渠の設置

    また、日本で主に使用される暖地型の芝生は根を地表に這わせて横に広がるので、バンカーの境界が徐々に曖昧になっていきますし、乗用バンカーレーキの乗り入れによって出入り口が痛むことでも境界が崩れていきます。

    この2点の理由から単に暗渠を取り替えるだけでなく、バンカーの全面的な修復が必要になっています。それに加え、京葉CCの場合、もともとのグリーンやバンカーの造形に難があるのでバンカーとグリーンやアプローチの接続を良くするために広い範囲を工事することにしています。

    ゴルフコースはあたかも最初から、自然の地形のままそうなっていたかのようにデザインされているとき、人は美しいと感じます。特にグリーンとその周囲のバンカーは一体として造形されることが望ましいです(グリーンとその周辺を合わせて「グリーンコンプレックス」と呼びます)。ところが京葉CCのグリーンコンプレックスはバンカーはバンカー、グリーンはグリーンとそれぞれ独立に造形されてしまっています。

    現在進めている工事ではこのようなデザイン上の問題も併せて解決するようにしています。このため工事範囲が広くなりお客様に迷惑を掛けることとなっています。そこで、迷惑にならないように、また効率的に進められるように工事そのものはプレー終了後の夕方から夜中にかけて行っています。

    なぜそれぞれのパーツが分断されてしまうのか、理由ははっきりとはわかりませんが、排水を意識しすぎていることが大きな理由の一つであることは間違いないと思います。グリーンやバンカーに水が流れ込まないようにすることでグリーンとバンカー、グリーンと周囲の傾斜との間に水が通る比較的極端なくぼみをつけることが多いです。上の14番ホールではグリーン手前が人工的に切り取られ凹んでいるのがわかるかと思いますし、3番ホールではグリーンとバンカーの間に不自然な溝が見えます。

    今回の工事ではバンカーの「アゴ」を芝にし、砂面を平らにすることで水の流入による砂流れをなくしました。これよって周囲の造形とグリーンやバンカーが溶け込んでみえるようになりました。また、どのみち定期的にメンテが必要(7年〜10年ぐらいで作り直し)と割り切ることにもしました。

    修復後の3番ホール左側のバンカーは左の斜面からそのままバンカーになっていて、人によっては水の流入を心配するところだと思いますが、いまのところ砂が流れたり、排水不良になるなど大きな問題にはなっていません。法面まで芝で覆うことで外部からシルトの流入を防いでいるため、排水機能が維持されていると考えています。

    今年は新型コロナ禍の影響でバンカー工事は中止にしましたが、来年以降再開する予定です。メンバーおよびゲストの皆様にはご迷惑をおかけすることになりますが、コース改善へのご理解を賜りたく存じます。

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