京葉カントリー倶楽部

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    公開:2021.09.30 03:53 | 更新: 2022.08.25 04:20

    コロナ禍で感じるゴルフ文化の変化

    新型コロナウイルスによって世界が異常な状態になって1年半以上になります。社会の様々なところに影響が出ており、飲食業(と飲食卸業)や旅行業、エンタメ業などは特に大変な状況が続いていると思われ、心が痛みます。はやくこのパンデミックが収束し、元の状態に戻ることを祈念します。

    さて、ゴルフ業界もパンデミック発生当初は売上の大幅な落ち込みに見舞われ危機的な状況に陥りましたが、多くの人が引きこもり生活を強いられることとなり、ゴルフは比較的安全であるということから逆に活況を呈するコースもあるという状況にまで改善しています。

    これまでの日本における会員制ゴルフクラブというものは世界的に見て独特な形態であったと思われます。本来、クラブというものは会員がすべての費用を平等に分担しあって維持・運営されていくものですが、日本では多くの場合、会員は高い会員権を購入することで安くゴルフができる、日々の運営費の負担は高いフィーを払うビジターが負担する、という構造がバブル期まで維持されてきました。会員権自体は高額であるものの、値上がりが期待されることから最終的には損することはない、という判断もあったと思います。

    バブル崩壊以降多くのクラブでビジター収入が激減しましたが、会員制を堅持しようというクラブではコストカットとともに収入の減少分を維持するために年会費が上げられてきました。この結果、一般論として年会費の低いクラブはパブリック要素の強いクラブへと移行し、年会費を高いクラブはメンバーシップ要素を維持するという2つの方向性に分かれてきました。

    このような二極化への芽生えはバブル崩壊以降ずっとあったものの、我先にとどちらかの方向へ進んでいくインセンティブがないため変化は非常にゆっくりしたものでありました。しかし、この新型コロナによるパンデミックを契機に一気に二極化が進む気配が感じられます。ビジター収入への依存度が下がって年会費などメンバーからの収入に頼るようになれば必然的にメンバーを重視する経営へと転換してきます。ビジターのプレー枠を減らす、あるいはビジター料金を上げる、となると、良いコースほどメンバーでないとプレーできない、メンバーでないならパブリックコースかそれに準ずるコースでゴルフをするしかないということになります。いままで日本のゴルフファーが感じることがなかった、メンバーになることのメリットが現れることになったわけです。

    このような状況はアメリカやスコットランド、イングランド、オーストラリアなどではごく当たり前のことで、日本も同じようなゴルフ環境に早晩なるのだろうと予想します。メンバーのためのゴルフクラブ、というごく当たり前のことが実現されることで、ビジターを意識した数々の悪弊は取り除かれていき、日本のゴルフ文化がより成熟していくことになるように思いますし、また、一ゴルフファンとしてもそうなることを切に願います。

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