京葉カントリー倶楽部

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    公開:2018.04.27 10:36 | 更新: 2022.08.25 04:21

    練習グリーン造成4年後

    4年前に練習グリーンを2面増設しました。今回はその後の経過について書きたいと思います。

    当時の懸念事項として透水速度の速さがありましたが、やはり透水の良すぎで苦労しています。USGA基準では毎時6インチ以上の透水速度が推奨されている中、今回使用したサンプルでは27.5インチ/時はさすが透水が良すぎたようです。

    透水が良すぎる原因は砂の粒度分布にあり、砂の粒度をもっと慎重に選択するべきでした。この直接的な帰結として土壌が肥料を保持する力が弱く芝に適切な養分供給ができないため、ターフの密度が薄く、また一本一本の葉や茎が弱く色も薄くなりがちになります。

    京葉CCでは葉面から肥料を供給する肥料を多く使っているのですが、やはりそれだけでは不十分であり、土壌中の養分がいかに大事であるかを再認識しました。いま手元に資料がないのですが、土壌分析を定期的に行っているので、その点については改めてデータを元に検証したいと思います。

    透水速度との関連があるのか不明ながら起きている不具合としては苔の繁殖が挙げられます。これは2つ増設したグリーンのうち風通しや日当たりの悪い方のグリーンに発生しているため、土壌ではなく通風と日照の問題かもしれません。

    現時点での評価は以下のとおりです。

    この2つのグリーンの前に作ったアプローチ練習場のグリーンは透水速度も適切なUSGA推奨値を満たした土壌で、非常にうまくいっていることと、今回の2つのグリーンの状況を考えると、既存のグリーンに較べてUSGAグリーンは日本の気候にかなりよく適応すると言えるでしょう。

    ただし、興味深く見守っているのですが、従来のコーライグリーンにオーバーシードして転換したタイイのグリーンもかなり状態良く経過していることから、土壌の条件以上に品種の進化の影響が大きい可能性もあります。

    いずれにせよ、新しい品種に適切な土壌を与えれば、これまでよりも遥かに楽に良い状態を維持することが可能である、ということは明らかなようです。

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