京葉カントリー倶楽部

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    公開:2017.06.19 10:42 | 更新: 2020.10.24 01:43

    ゴルフコースランキングの話

    日本のランキングではなくアメリカのランキングについて書きたいと思います。

    2つの代表的ランキング

    アメリカのゴルフコースランキングでメジャーなランキングはGolf DigestとGolf Magazineの二つです。これら二つのリストには共通点も多いですが、顕著な相違点もあります。違いはどこからくるのでしょうか。

    Golf Digest社 America’s 100 Greatest Golf Courses

    Golf Magazine社 Top 100 Courses in the US

    それぞれランキングシステムが公開されていて、かなり評価方法に違いがあることがわかります。

    Golf Digestのランキング方法

    ゴルフダイジェストでは954人のパネリストがの350余の候補から8つの項目別に点数をつけ、各項目ごとの平均を合計してランキングを作っています。このランキングから同時に100 Greatest Courses You Can Playと各州ごとのランキングが作られます。アメリカ以外の国のランキングも発表していますが、この954人のパネリストはあくまでアメリカ国内のパネリストで、国外についてはまた別にパネリストがいるようです。

    Golf Magazineのランキング方法

    ゴルフマガジンでは約100名のパネリストが約400からなる世界中の候補を自分がプレーしたコースの中で1位から順に順位をつけていきます。順位をつける基準は完全にパネリスト個人に任されています。それらのリストの上位3コースに100点、4位-10位に85点、11位-25位に70点、26位-50位に60点、51位-75位に50点、76位-100位に40点、101位-150位に30点、151位-200位に20点、201位-210位に10点、210位以下は0点をつけます。そして平均を取って世界ランキングを作ります。このリストの中でアメリカのコースだけを抜き出したものがTop 100 Courses in the USになります。

    2つのランキングの違いはどこから来るのか?

    最も大きな違いはパネリストに与えられた評価基準の有無です。ゴルフダイジェストでは例えば「メモラビリティ」に80満点中の10点が配点されており、メモラビリティを重視しようとしまいとメモラビリティにある一定の価値を置くことになります。一方ゴルフマガジンでは一切の基準がパネリストに委ねられており何を重視するかは人によって全く異なります。ちなみにゴルフマガジンではパネリストは公開されていて、設計者やコースオーナーは自分のコースに投票はできないことになっています。

    ランキングを眺めてみるとだいたい似たような名前が見受けられます。現在も活躍中の設計者の名前を上げると、Tom Fazio、Bill Coore & Ben Crenshaw、Tom Doak、Jack Nicklausあたりでしょうか。もっとも評価に食い違いがあるのはTom Fazioでダイジェストでは15コースランクインしているのに対し、マガジンでは4コースです。これはおそらくダイジェストが評価項目に入れいているいくつかの項目がマガジンのパネリストたちがそもそも評価に入れていないか、8項目とは別の何かを重視しているかのいずれかまたは両方なのでしょう。個人的にはマガジンのランキングはメモラビリティやコースコンディションを考慮に入れていない印象を受けています。それは取りも直さず、Fazioのコースがこれらの2項目の評価が高いということを意味しますが、あくまで私見であることをお断りしておきます(汗)。ちなみにFazioのコースはお金持ちのコースが多く、池をふんだんに取り入れてメモラビリティを高めたり、メンテナンスに多額の費用を投じている印象が強いです。他方で戦略性やバラエティは他の著名設計者に劣るという印象を持っています。

    ゴルフコースの評価について興味がある人は英語のサイトですがGolf Club Atlasというマニアックなサイトがオススメです。ここではマガジンのパネリストを努めている人たち(ダイジェストのパネリストは匿名)が日々意見交換をしたり、インタビューに答えたりしているのでとても勉強になります。

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