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    公開:2025.09.08 09:07 | 更新: 2025.09.08 12:10

    有効バウンスとバウンス角の違いについて

    両者の違いを知ったからなんだという話なのですが一応知っておいたほうがいいんじゃないか、みたいなレベルの話です。

    VokeyやPingなどのウェッジは「実効バウンス」で表示されています。Effective Bounceというやつです。多くの人がソールの角度をバウンス角だとなんとなく考えているのですが、実は全然違います。Pingの公式ページによると、60度のGlide Thin Soleの実効バウンス表記は6°ですが、実バウンス角は20°です。

    実バウンス角の測り方は上の図のようにシャフトに垂直な平面に接する点と平行な平面に接する点を結んでできる角度のことです。多くのメーカーではここからソールを様々な形状に削っていったり、全く別のソール形状の製品をデザインしているため、同じ実バウンス角でも打った感触が変わるわけです。なので、実バウンス角という数字は製品の性質を表現するには適していないということになります。そこで、打った感触をうまく表現できる数値はどうやって定義できるか、という話になります。

    調べてみると、メーカーによって定義はバラバラで、しかもその定義は公表されていないようでした。各メーカーともそこには特許であったり企業秘密にしておきたいことなどがあるようで、あまりはっきりしたことは公表していませんでした。ただ、特許などの情報からなにをコントロールしてソールの感触を変えているか、などは推測できるようです。

    それらのことをまとめると、実効バウンスの定義は概ね以下の点にまとめられるようです。

    • 実バウンス角
    • 正面(ターゲット方向)への投影面積
    • ソールの曲率(上の図の赤い線よりソールがどれくらい膨らんでいるか、あるいは凹んでいるか)

    実バウンス角が同じでもソールの幅が違う、つまり投影面積が小さくなるとバウンス効果は小さくなるので各社とも実効バウンスの表記を小さく表示します。Vokeyで言えば、ベースのグラインドはFグラインドで実効バウンスが14°、そこからトレーリングエッジを落としたSグラインドの実効バウンスが12°、さらにヒールとトウを少し削ったのが実効バウンス10°のDグラインド、といった具合でしょうか。実際にはもっと細かく各グラインドのデザインは調整されてるかと思いますが、イメージとしてはそういうことです。

    VokeyではKグラインドが少し特殊なデザインになっていて、幅広なソールデザインが特徴です。表記上は14°となっていますが、ソールが広い分、実バウンス角はかなり小さいにようにも見えます。

    上の図はKグラインドを正確に描いたものではないですが、実バウンス角が意外と小さいので14°のハイバウンスだと思って買うと案外刺さってしまう人が多いかもしれません。

    Vokeyには他にTグラインドとLグラインドという実効バウンスが4°のウェッジがあります。以前はLグラインドが標準ラインナップでしたが、今はPGAツアーで使用率の高いTグラインドが標準ラインナップになり、LグラインドはWedgeWorksでしか買えません。両者の違いはおそらく実バウンス角とソール幅の違いでしょう。詳細に調べたわけではないですが、Lグラインドの方が実バウンス角が小さく、ソールが広いように見えます。

    最後にソールの曲率についてです。ソールが強く凸になっていて丸みが強いものは同じ実バウンス角で比べたときには芝の上から打つときはバウンス効果が高く、バンカーでは弱くなるそうです。VokeyのKグラインドは14°ですが、ソールが丸いのでバンカーからは案外難しいかもしれません。最近はめったに見ないですが、ソールがくぼんでるサンドウェッジもありますが、そのタイプのソールは丸いソールの逆で、芝の上ではバウンス効果が弱くなり、バンカーでは強くなります。

    VokeyのMグラインドやそのローバウンス版のTグラインドが人気なのはライやフェースの開き方によるバウンス効果の違いが少ないことが理由なのかもしれませんね。各社様々なソール形状のウェッジを販売していますが、ウェッジ選びの参考になれば嬉しいです。

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