京葉カントリー倶楽部

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    公開:2014.02.28 10:51 | 更新: 2020.10.24 01:52

    練習グリーンの増設中

    1番ホールと10番ホールのティインググランド付近にそれぞれ380㎡程度の練習グリーンを増設中です。

    既存の練習グリーンは2面ありますが、一つは経年劣化による排水不良を起こしていて、もう一つは逆に土壌に使った砂が粗すぎて過剰排水で管理に非常に苦労をしています。排水不良している方をAグリーン、過剰排水の方をBグリーンと便宜上呼ぶことにすると、Aグリーンで使われている砂はもともと角張っていて締まりやすいものなうえに、これまでの管理で使用した薬剤や肥料による化学変化や残留物によって排水が悪化しました。Bグリーンは9年前にコーライグリーンをグリーン床からやりなおしてベント化したものですが、使用した砂や造成方法に問題があり、過剰に排水されている状態にあります。

    9年前にBグリーンと6番ホールのグリーンを作りなおしましたが、当時の僕はグリーン造成の知識がなかったので、キーパー任せにしたところ、今から考えると非常に問題のある構造および材質を使ったグリーンを作ってしまいました。新しいにも関わらず、毎年6番ホールと練習グリーンBには苦労させられています。

    これらのグリーンの不具合は造成してすぐから出始めていたので、グリーンの構造について遅まきながら勉強しました。いくつかのメジャーな造成方法があるなかで、USGAのグリーンセクションが推奨する方法が最も普及しているらしいことがわかってきました。その後、キーパーが変わりましたが、新しいキーパーはグリーンの構造に詳しく、USGA方式のグリーンを実際に作った経験のある人でした。京葉CCでもショートゲーム練習場のグリーンをUSGA方式で作りました。このグリーンはその後の猛暑にもビクともせず、冬の寒さにも問題がありません。グリーンの健康状態は根を見ればわかりますが、1年を通じてかなり深く(20cm以上)根を下ろしています。京葉の他のグリーンだと真夏などは3cm程度までになってしまうので、その差は歴然としています。もちろん、使用状態が異なるので一概に比較することはできないので注意が必要です。

    以上のような経過から、今回の練習グリーンもUSGA方式で作ることにしました。グリーンの土壌は深さ40cmあります。下の10cmは砂利層です。上の30cmは砂と土壌改良材の混合層になります。土壌改良材には通常ピートモスという有機物を使いますが、最近では様々な無機物も使われるようになっているようです。今回はプロファイルという商品名の無機物も検討しました。

    USGA方式のグリーンを作るには、まず材料(砂利、砂、改良剤)がその要件に適合しているかをUSGA認証ラボで検査しなければなりません。その結果、砂80%、ピートモス20%が望ましいことがわかりました。砂利は残念ながらテストをパスしなかったため、別の砂利を再テストしなければならなくなりました。こうした検査は送られてきた資材ごとに必要で、別のロットで大丈夫だったから、昔検査したから今回も大丈夫ということにはならず、また、それぞれの相性もあるので面倒は面倒です。

    工事は天気にもよりますが、来週中か、遅くとも再来週の前半には終わる予定です。その後、暖かくなるのを待って(3月終わり頃)グリーンの種を蒔きます。品種は現在グリーンに使用しているタイイです。タイイよりも新しい品種がいくつも開発されていますが、京葉での使用実績やターフクオリティには満足しているので、未知の品種を試すリスクを負う必要は感じませんでした。

    使用開始は7月1日を予定しています。使い始めはどうしてもスピードは出ないのでなかなか満足できるベルにはなりませんが、最終的には良いものになると思います。2面増えることにより、既存の練習グリーンへの負担も軽減されることを期待していますが、いかんせん土壌がかなり悪い状態にあるのでどうなるかわかりません。場合によっては新グリーンが安定した段階でこちらも土壌からやり直します。

    【2014年3月13日追記】

    別の砂利をラボに送って検査したところ、今回は無事パスしました。晴れて今回使った砂利、砂、ピートモスの組み合わせはUSGAの推奨に適合していることになりました。

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