京葉カントリー倶楽部

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    公開:2011.07.22 10:59 | 更新: 2020.10.24 01:59

    バンカーの砂質について

    バンカーの良し悪しは主観的なものなんだってことをよく覚えておこう。

    —USGA Green Section

    ゴルフの歴史を学び、またスコットランドのリンクスでプレーしてみてバンカーの砂質はどうあるべきかについて大いに考えさせられた。

    USGAのグリーンセクションはバンカー砂についてのガイドラインを1983年に発表しているが、基本的には具体的な指定はしていない。

    The USGA has never had specifications for bunker sands. The article “Selecting and Handling Sand,” Green Section Record , November/December 1983, provides general guidelines regarding the sand’s particle size, shape, composition, color, and other factors that will be helpful for the initial selection process.

    Remember, a sand’s playability is subjective. It is a good idea to develop a test bunker so that several of the potential sands can be installed and sampled by the golfers. The test bunker should be used for several months before a final decision is made. This will help form a general consensus that will be useful in the ultimate selection of the sand. Keep in mind, bunker sand becomes firmer over time, as it becomes contaminated with soil and organic particles.

    What are the USGA’s recommendations when selecting sand for bunkers?

    ゴルフの原点がリンクスにあるものの、リンクスの全てを肯定することが正しい訳ではない、とする立場は尊重したいが、そこからあまりに遠く離れてしまうことにはためらいを感じる。

    リンクスはスコットランドの方言で「砂丘」を意味するらしいが、実際、リンクスは砂地にあり、芝を剥がして掘ればどこでも砂が出てくる。そしてよく知られているように、リンクスのバンカーは動物が掘った穴などが広がってできたものが原型なので、砂の種類に選択の余地はなかったはずである。

    ところが時代を経ていつの間にか真っ白な砂が好まれるようになり、また目玉になるようなバンカーは「悪い」バンカーであると看做されるようになってしまった。たしかに目玉になったり、悪いライからは技術の差が出にくいから、良いコースコンディションを技術の差がそのまま結果の差に出ることと定義すればそのようなバンカーは「悪いバンカー」と言えるかもしれない。

    このような質的・美観的観点からバンカーに「適した」砂が選定されるようになってきたが、それにともないバンカーは没個性化してきた。リンクスのバンカーに思いを馳せると、当然のことながらバンカーの砂はその土地固有のものであるから、別のコースに行けば砂質も変わる。それが当たり前であるし、どれだけ目玉になろうと、どれだけプレーがしにくかろうと文句の言いようがない。砂のほうが先にそこにあったわけだし、結局のところ、バンカーはハザードだからである。バンカーはハザードである、という当たり前の事実を受け入れると、バンカーの砂も「地形を活かした設計」の一部に含まれるべきである、ということがわかってくる。どれだけ地形を活かした設計と言われても、日本ではめったにお目にかかることのできない真っ白な砂で彩られたバンカーを見ると、良くも悪くも別世界に来たような気分になるし、外国にある日本庭園を見て感じるような違和感を覚える。

    京葉CCでも各地の砂を使ってきた経緯があるが、反省を込めて言うと、結局のところ地元の砂を使うことがゴルフの伝統という文脈においても、経済性・持続性という意味においても「正しい」ことであるように思う。

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