京葉カントリー倶楽部

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    公開:2010.05.06 11:10 | 更新: 2022.08.25 04:23

    グリーンの理想的状態

    良いグリーンの状態とは硬くてボールの転がりの良い状態だと現時点では考えている。スピードはそれほど重要ではない。むしろスピードは速すぎない方が良い。というのも、速すぎるグリーンは傾斜が強いグリーンではホールをあける場所がなくなってしまうし、ホールの場所を確保しようとすると、平らなグリーンになってしまうか、傾斜があってもグリーン内に止まるだけの平らな面を確保するために極端に大きなグリーンになってしまうからだ。

    速くて傾斜が強いところにホールをあけなければならなくなると、グリーン上で大叩きをしやすくなり、グリーンに至るまでのゲームを壊してしまう。速いだけの平らなグリーンは面白みに欠ける。大きすぎるグリーンはパター以外のクラブが必要となりうるから管理上問題になる。

    これに対し、グリーンの硬さを上げることで戦略性を高めることができる。どの角度から狙ってもボールが止まるほど柔らかいグリーンの場合、フェアウェイのどこにあってもそれほど条件は変わらないが、硬くなると、グリーンのどの面に落とすかが重要になってくるため、その面に対しどの角度から狙っていくかでフェアウェイへのボールの置き所が変わってくる。また、上げるボールだけでなく、転がすアプローチも重要になってくるのである。

    転がりの良いグリーンとは、ボールがヨロヨロしないで転がるグリーンである。デリケートなタッチを要求される時に、ホール際でボールがだらしなくよれて外れることほど頭に来ることはない。ラインに乗ったら素直にホールに吸い込まれるべきである。あくまでゴルフは「遊び」なのだから。

    このように定性的に良いグリーンの定義をすると、今度は定量的な良いグリーンを定義することが出来る。グリーンの硬さと転がりの良さは芝の密度および刈高と比例する。密度が高ければ高いほど根の密度も充実し、グリーンは硬くなるし、グリーンの表面が芝で覆われるため転がりが良くなる。また、刈高が低いほど芝が立ってくるし、葉も細くなるので、均一な転がりが実現する。そしてまた、密度の高い芝生は光合成や蒸散などが健全に行われるため、様々なストレスにも強い。このようなことから、定量的な良いグリーンとは基本的には密度と刈高に要約できるのである。

    これを実現するためにはマメな目砂、頻繁な刈り込み、良い肥料、適切な水管理、よくメンテされた高性能な機械、細かい配慮ができるスタッフが必要なのである。それらを限られた予算で一度に解決するのがグリーンキーパーのグリーンに対する責任なのである。

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